Feb 12, 2007

2006 TESOL Submissions

2006 教育法 課題

自動化の必要性-1

2006春学期課題

英語を身につける上での自動化の必要性

  言葉に関して知識があっても、その言葉を経験し、言葉に触れることがなければ、あまり役に立たない。経験だけが言葉を身につけることを可能にするのであっ て言葉の知識だけでは言葉を学べないのである。人間の脳はパターンを学ぶのがとても得意であって、あまりにも巧みなものだから、自分でも気が付かないうち にパターンを学習することができる。私の場合、日本語は知らないうちに話せるようになっていた。難しい言葉でなければほとんど理解する事ができる。しか し、英語はそうはいかない、と今までは思っていた。英語科教育法の授業によって私はある程度英語も理解していることに気が付いた。なぜなら、簡単な英文や 外国人の先生の言う事が理解できているからだ。私は中学生までアルファベットも書けなかったのだが、ある教育熱心の英語の先生に出会い、徹底的に基礎的な 知識を詰め込んでもらった。実は中学のその時にしか英語を真剣に勉強していない。それ以後はいつも勘で英語を答えていた。「なんとなく」という感覚でやっ てきた。そのため中学生に英語を教える時に私はどのように彼らの質問に答えればいいかわからない。しかし、それは中学の時にある程度の基礎知識を自動化し たからなのかもしれないと考えるようになった。それ以上の英語力は私にはない。だからCNNのニュースは 聞き取ることができない。英検1級の文章は読めない。それは脳の自動化ができていないからだと考える。Girlという英単語を見れば女の子のことだとわか る。しかし、proeuthanasiaなんて言葉はさっぱりわからない。これはこの言葉が自動化されていないからだ。*これは自動化以前に、知識がインプットされていないということでしょう。[Yamauchi] 活字を人間が理解できる認知情報に変換する処理をボトムアップ処理といい、人間の脳の中にある知識を活用して行う読解処理をトップダウン処理という。【読解過程】だけでなく【聴解過程】にもボトムアップ処理・トップダウン処理はある。 [Yamauchi] ◎トップダウン処理ができるようになるためにはボトムアップ処理が「自動化」されていることが必要になってくる。それでは自動化するためにはどのようにすればいいのか、考えていきたい。

 まずは、ダブルインプットである。聞きながら読む事で二つの働きを一度にする事ができるため言語学習の理解度が高くなるのである。 例えば、ex・・から始まる言葉と言われたらこのスペルで始まる単語がいくつか思い浮かべる事ができる。このうちどの単語が正しいのかは知る手がかりはな い。しかし、スポーツに関連があるとなれば、すぐにexerciseという言葉を思い浮かべることができるだろう。これを「語彙の導入」といい、限られた 情報から単語を推測する能力である。言語を学ぶ場合、この「語彙の導入」は必要不可欠であろう。私は全くアラビア語がわからない。私の目の前でアラビア人 が話している。私は一切理解する事ができないと私の脳は意識している。この状態でこのアラビア人が急に途中から日本語を話し出しても私には理解する事がで きないだろう。脳がアラビア語だと意識しているからだ。これがもし初めから彼が途中から日本語を話す事がわかっていれば理解する事は可能かもしれない。こ のような事が言葉を予測できるとできないの違いと言える。脳が予測を働かせていれば受動的な読み方、聞き方ではなく創造的な読み方、聞き方ということにな る。この事が脳のパターン化を使ったことの証明となる。ダブルインプットから外れている?[Yamauchi] このパターン化を聞くだけでは使えなくても読めば使えるという場合があるだろう。これがダブルインプットなのである。もし聞くのと読むのとを同時に行え ば、音では単語を聞き間違えても、書かれた文字が助けとなってその誤りを訂正してくれる。それに、ダブルインプットだと言葉が二度繰り返されるので、一つ だけを行うよりも、音や単語を全部拾う事が容易になるのだ。また、ネイティブスピーカーにとって読むことは視覚面だけでなく、脳の音声部分を使うことなの である。つまり、ネイティブスピーカーは読むと同時に音が浮かぶという事である。私達が日本語を読むのと同じなので、ごく自然な事であるとわかる。読め る=発音できるという脳になっている。ところが、英語だと意味はわかっても読めない単語がある。これはまだボトムアップ処理ができていない事を意味する。 活字を見て、その意味的情報や音声的情報を長期記憶からよびおこす事がボトムアップ処理である。これを自動化するためにもこのダブルインプットを利用して いこうと思う。なぜなら二つの異なる感覚器官を通じてインプットすると語彙の理解度がずっと高まるからである。

 次に繰り返しのインプッ トである。繰り返しとは脳が何かを記憶するのに値するか否かを判断する方法の一つである。例えば、次の日、単語テストがあって一晩で50の単語を覚える。 テストではある程度覚えていられたとしても、テストが終わればすぐに忘れてしまう。それと同じで一度だけ覚えても忘れてしまうのが人間である。しかし、そ の同じ単語テストが毎日続けられると嫌でも忘れない。中学生の頃、覚えるわけでもないが英語の歌を授業の前に歌っていた。それを今でも覚えている。また、 私はピアノを習った事がないが小学生の頃、1フレーズだけ完璧に弾けるようになりたいと思って練習したのを何年もピアノに触っていない今でも弾く事ができ る。繰り返すことによって脳に一度インプットしたデータをもう一度確認するチャンスを与えることになる。それが脳に深く作用し、忘れなくなり応用として使 えるようにもなるのである。人間の記憶のしくみは、短期記憶と長期記憶のシステムからなる。短期記憶は、約15秒以内にその90%が忘却される特性をも つ。一度に記憶できる数にも制限がある。一方、長期記憶は出来事や知識の記憶を含み、記憶量はほぼ制限が無いといってよい。短期記憶は長期記憶への転送に かかわると共に、新たな情報を一時的に保持し、さらに長期記憶の情報を検索する役割をも担っている。ワーキングメモリとはいわゆる「短期記憶」の概念を拡 張したものであると考えられる。◎ワーキングメモリと言語活動とは深い関わりがある。例えば、暗算問 題を解く場合など、あることがらをほんのわずかな間だけ憶えておかなければならないことがある。目標に向かって情報を処理しつつ一時的に事柄を保持するは たらきをしているのが、ワーキングメモリである。文を読む際には、知識やエピソードをもとにした長期記憶の検索をすすめながら単語や文を理解しているので ある。ワーキングメモリの容量には制限があるため複雑な会話などをするとそれだけでワーキングメモリがとられ他の単語が記憶できなくなってしまう。人間の脳はとてつもなく有能で感嘆してしまう。

  そして、記憶のインプットである。覚える事、記憶する事でそれが脳の経験となって言葉を発展させる原料となるのでる。しかし、言葉の意味だけを記憶しても 脳が言語を学ぶ助けにはならない。その言語の具合的な例が脳にしっかり残り、脳がそれらを使ってさらに知るべきことを学んでいく事が必要なのである。難し すぎない程度で日常使うフレーズとは少し違うものを記憶するといい。それを繰り返していく事で今までまったく理解できなかった英文が理解できるようになっ ていく。一つのフレーズ、一つの文章だけでもいいので暗唱できるようになる。そうする事によって英文を書く際に驚くほど役に立つのだ。この事は私の経験で もある。私は英文を書くのが苦手で書きたい事をどう書けばいいのか、読む事や聞き取る事ができても書く事ができない。そんなもどかしい気持ちになった経験 が山ほどある。そんな時に暗唱を進められた。すると一つの文を暗唱できるようにすれば以前よりすらすら書けるようになった。それがなぜなのかわからなかっ たが、この記憶のインプットのおかげだと気付く事ができた。また、ある程度記憶して脳にデータを蓄積させないとトップダウン処理を用いる事ができない。脳 は、一つの情報がインプットされれば、自動的に関連情報が呼び出される仕組みになっている。トップダウン処理はこの蓄積されたデータを用いて、行間を読ん だり、知らない単語の意味を文脈から類推することも含まれている。文章の内容にかかわる背景や一般常識にも深い関わりをもっている。トップダウン処理とボ トムアップ処理を相互して使う事で読解できるのである。I am a student.という文を読解する場合、Iという単語を認識し、その単語の音声情報と「読解」や「読むこと」という意味情報を長期記憶のなかから取り出 す。そしてamがIの後ろにあることでIが主語だとわかる。そして、studentという単語を認識し、studentがIの補助的役割であるとわかる。 また、I=studentだと理解することもできる。トップダウン処理とボトムアップ処理は活字を読む際には絶対不可欠なのである。また、忘れてならない のが単語認識である。最小限の認知労力で処理するためには自動処理のレベルまで到達しなければならない。つまり単語をみて無意識で単語の意味を認識するレ ベルである。このレベルで複雑なトップダウン処理を流暢にできるレベルになると言える。

 英語を活用できるようにするためにはボトムアッ プ処理が「自動化」されていることが必要である。日本語は無意識に理解できるのに、英語はできないのは自動化できていないからである。そのためには聞きな がら読む、繰り返し記憶することが大切である。脳に新しい経験をさせることによって脳の働きをより活発化させる事ができるのである。ただ、英語を教える側 の人間になるのであれば自動化している事が妨害になる事がある。すでに自動化できているものは意識しにくいからである。自分にとって分かっていて当たり前 だと思う事も学習者にとってはなんでそうなるのかわからない事がある事を留意しておかなければならない。この対策として、新しい言語を勉強することが良い とされている。自分がどのように英語を覚えていったのかがわかるからである。言語と脳の関係を学ぶことができて勉強が少し楽しく感じることができた。これ からもこれらの知識を活かして英語を学習していこうと思う。

2007/02/12 06:47


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